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石川啄木の旅・・・天才歌人の旅は壮絶である

石川啄木、この天才歌人の旅は西行や芭蕉とはかなり違う。生活をかけての壮絶な旅である。
ふるさとの渋民村を追われ(石をもて 追はるがごとく ふるさとを 出でしかなしみ 消ゆる時なし)、東京、青森、函館、小樽、札幌、釧路と、好むと好まざるにかかわらず、旅を強いられた。天才であるが故に、彼に援助の手を差し向けるひとはいたが、身近な人からは疎外され、悲しみの旅を続けざるを得なかった。まさに追われるがごとく・・・。

「はたらけど はらたけどわが生活(くらし)なお楽にならざり じっと手をみる」

そのような悲惨な人生の中で、わずか26歳で肺結核のため他界した。妻や金田一京助、若山牧水等の心温かい人々にみとられて。
その後、妻も娘も肺結核に倒れ、一家は函館山のふもと、立待岬で人知れず眠っている。

「たかりや」の悪評を周辺からささやかれながら、さぞかし無念の生涯であったろう。26歳を苦闘の中で過ごした天才歌人、彼の歌の数々は、いまも多くのひとから愛され、時代を超えて永劫に生きてゆくのであろうことを祈る。啄木という名とともに。

追記:若山牧水が、啄木の死の床で詠んだ歌は、
「はつ夏の曇りの底に桜咲き居り 衰へはてて 君死ににけり」
by fusus-21 | 2013-11-19 20:44 | サスティナブル ツーリズム